履歴書の「志望動機欄」の書き方/例文付き

更新日:2024.02.05

志望動機のイメージ

更新日:2024.02.05

履歴書の志望動機を書こうとして「何を書けばいいか分からない」「書き出しや締めくくりに悩んでしまう」ことも多いでしょう。採用担当者が履歴書を見る時に必ず確認する志望動機は、書類選考を通過するために重要な項目です。

本記事では、履歴書の志望動機の書き方や書き出しや締めくくりのポイント、職種別の例文サンプルを紹介します。履歴書の志望動機に関するよくある質問にも回答します。

監修者:石井 祐太朗
監修キャリアアドバイザー
石井 祐太朗
住宅メーカーで戸建事業部、リフォーム事業部にて個人、法人相手の営業を経験。様々な業界の知見を深めることができること、前職より多くの方の人生の転機に立会いサポートできることに魅力を感じ、type転職エージェントのキャリアアドバイザーへ転身。転職希望者の側に立ち、未来を見据えたご支援を続けている。
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志望動機の重要性

志望動機の重要性

志望動機とは、なぜ応募先の企業を志望するのかを説明するものです。採用担当者は志望動機を通じて、応募者が自社の文化や価値観にどれだけフィットしているか、またその職務を理解し、どのようにして会社の目標達成に貢献できるかを評価します。そのため「他の企業でもいいのでは」と思えるような回答ではいけません。「どうして応募先の企業に応募したのか」「入社後にどのような仕事をしたいのか」「当社で活かせる能力やスキルがあるか」などを盛り込んだ志望動機にする必要があるのです。

そのためには応募先の企業を調べて理解を深めることが大事です。どこに魅力を感じているのか、活かせる経験やスキルが何かを整理して、志望動機を作成しましょう。

志望動機の書き方の基本

志望動機の書き方の基本

例文

貴社の先進的なテクノロジー開発に魅力を感じて志望いたしました。これまでの3年間で、顧客のニーズを的確に捉え、解決策を提案することで、目標を上回る成果を達成してきました。営業職として培った経験を活かし、新たな市場を開拓し企業成長に貢献したいと考えています。

履歴書の志望動機欄に書ける文字数は、100~200文字程度です。無理に長く書く必要はありません。手書きの場合は、読みやすい大きさで、丁寧に記入しましょう。履歴書では、応募先の企業のことを「貴社」と書きます。話し言葉の時は「御社」と使い分けるので注意してください。

志望動機に書く内容としては、転職によって叶えたいことと応募先の企業を選んだ理由を中心にまとめます。自分の経験やスキル、実績が伝わるように書くと、採用担当者が入社後の活躍もイメージしやすくなります。

例文の場合、

【転職によって叶えたいこと】
営業経験を生かして新たな市場を開拓したい

【応募先の企業を選んだ理由】
先進的なテクノロジー開発をしているから

【自分の経験やスキル、実績】
営業経験3年、顧客ニーズを捉えた提案、目標達成

となっていますね。

志望動機を使いまわす人もいるかもしれませんが、応募先の企業でなければいけない理由を求められているため、一社ごとに書き分けるのが基本です。企業を調べて企業の特徴や強み、魅力、共感できるところを見つけて、志望動機に落とし込みましょう。

書き始めと締めくくりは悩んでしまう人も多いのですが、いくつかパターンが決まっているので、次の項目で詳しく説明します。

志望動機の書き出しのポイント

志望動機の書き出しのポイント

書き出しは、志望動機の最初の印象を決めるため重要です。採用担当者を引き付けて、興味を持ってもらえるような文章にする必要があります。

多くの人が悩みがちな志望動機の書き出しは、結論から書くとスムーズです。「貴社の〇〇に魅力を感じて志望いたしました」「貴社を志望する理由は〇〇です」「自身のスキルや経験を活かし、〇〇に挑戦したいからです」など、結論から書き始めましょう。

この3パターンの書き出しの例文を紹介します。下記を参考に自分に合った志望動機を考えてみてくださいね。

【魅力に感じた点を伝える例文】

例文①

「貴社のITソリューション事業におけるクラウドサービスの商品力の強さに魅力を感じています。」

例文②

「貴社のAIを活用したヘルスケアサービスが今後拡大が見込まれており、市場の成長性に大きな魅力を感じました。」

例文③

「貴社が展開している再生可能エネルギーが環境問題への対応という、社会貢献性の高さに魅力を感じております。」

ポイント

企業の事業内容や特徴から魅力に感じた部分や興味が惹かれた部分、共感した点を記載します。漠然とした内容だと、他社との差別化ができず使いまわしなのではと思われてしまう可能性もあるため、具体的に書きます。冒頭で一文が長くなりそうな時は、簡潔にまとめて続く文章で詳しく書きましょう。また年収や福利厚生、制度など条件面を挙げるのはやめましょう。NG例は「志望動機のNG例」の項目で紹介しています。

【志望する理由から書き始める例文】

例文①

「私が貴社を志望する理由は、これまでのマーケティング経験を活かし、貴社の広告戦略に貢献したいと考えているからです。」

例文②

「貴社を志望した理由は、高いレベルの営業スキルを求める環境で自己成長を図り、業界に新たな価値を提供したいと思ったからです。」

例文③

「私が貴社を志望したのは、貴社の『顧客第一』の経営理念に深く共感し、その理念のもとで働きたいと感じたからです。」

ポイント

転職で叶えたいことが応募先の企業なら実現できることを伝えます。書き出しから続く文章で、具体的に応募先の企業でないといけない理由を書きます。企業研究を行い、事業内容や企業理念、業務内容などの理解を深めることが重要です。転職で叶えたいことやキャリアの方向性と企業の方針や特徴が一致しているところを伝えるといいでしょう。

【入社後に取り組みたいことを伝える例文】

例文①

「小規模企業でのマーケティング経験を基に、貴社のグローバルブランドで大規模キャンペーンを成功に導きたいです。」

例文②

「5年間のエンジニアとしての経験を活かし、製品開発における顧客中心のアプローチを貴社で実現したいです。」

例文③

「販売職として3年間接客を行い身に付けたコミュニケーション能力や提案力を活かし、新たに営業職に挑戦したいと考えています。」

ポイント

応募先の企業が求めるスキルや経験にマッチした内容をアピールします。これまでの経験を活かして貢献していきたいというのがパターンですが、企業が求める人材とズレているとミスマッチや経験不足と思われてしまいます。冒頭に実現したいことを書いて、後に続く文章でその会社でなくてはいけない理由を続けて書きましょう。未経験の場合は、コミュニケーション能力やスケジュール管理能力など職種や業界が変わっても活かせるスキルを伝えるといいでしょう。

志望動機の締めくくりのポイント

志望動機の締めくくりのポイント

志望動機をどのように締めくくればいいのかも悩んでしまう方も多いのではないでしょうか。志望動機の締めくくりは、採用担当者が志望動機を読み終わったあとに、「入社後に活躍できる人材である」と印象付けることが重要です。

締めくくりは、即戦力として貢献できると思って志望したことを具体的に記載すればOKです。3年後をイメージして「即戦力として実績を積み上げていき、3年後には後輩の育成にも力をいれていきたいと考えております。」と具体的に書くのもおすすめです。下記にいくつか締めくくりの例文を用意したので、参考にしてくださいね。

締めくくりの例文8選

例文①

「これまでの経験と、私自身の得意分野でもあるJavaのスキルを活かして、貴社に貢献できればと思います。」

例文②

「貴社の戦力として活躍することはもちろんのこと、将来的にはプロジェクトリーダーとしてチームを牽引することを目指しています。」

例文③

「私の経験を用いて店舗の収益向上に貢献するのはもちろん、店舗デザインと運営の改善を通じて、会社の幅広い業務に寄与したいと思います。」

例文④

「営業としての私の経験を活かし、目標達成を超える売上の増加を目指す一方で、クライアントとの関係構築を通じて、貴社のブランド価値の向上にも寄与したいと考えています。」

例文⑤

「私の事務能力を活用して部門の生産性を高めるだけでなく、組織運営の改善にも尽力し、貴社の目標達成に幅広く貢献できると考えています。」

例文⑥

「事務職としての経験を活かし、日々の業務効率化を図りつつ、社内外のコミュニケーションを円滑にして貴社の全体的な業績向上に貢献したいと思います。」

例文⑦

「SNSを活用したプロモーションで売上拡大をした実績もあるので、その経験を活かしていきたいと考えております。」

例文⑧

「これまでの経験を活かし一日も早く戦力として活躍できるように、専門性を高め、チームの一員として大きな貢献を果たしたいです。」

志望動機の例文

志望動機の書き出しと締めくくりのポイントを説明しました。では志望動機を作成してみましょう。未経験や第二新卒の場合、職種別に例文を紹介します。

未経験の場合(販売職→人材業界)

販売職で培った提案力を活かし、より提案要素の高い営業職にチャレンジしたいと思いました。相手の人生に深く関わる仕事で介在価値のある業務に携わりたいと思い人材業界を志望いたしました。貴社の仕事を通じて人生を豊かにしたいという企業理念に魅力を感じており、これまでの経験を活かして多くの人の人生を豊かにし、貴社に貢献していきたいと考えております。

第二新卒の場合

新卒で入社し1年間業務管理システムの法人営業に携わりました。顧客のニーズに合わせたシステム構築に魅力を感じ、エンジニアとしての経験を積みたいと考えています。貴社の営業とエンジニアの協業体制と未経験からチャレンジできるところに惹かれ志望いたしました。現在独学でJavaを勉強しているので、一日も早く実務で貢献できるようになりたいと考えています。

事務職

貴社を志望した理由は、「社員の強みを活かし、チームで成果を上げていく」という貴社の方針に共感したからです。前職では営業事務として業務の効率化に取り組み、業務管理システム導入を推進してまいりました。営業事務としての経験を活かし、営業の方とコミュニケーションを取りながら、チームの一員として貴社の売上拡大に貢献していきたいと考えています。

マーケティング職

顧客第一に考えて、グローバル展開している貴社で、これまでの経験を活かし、企業とお客様双方に価値を提供していく存在となりたいと思い、志望いたしました。前職ではマーケティング職として、20代女性向け商材でブランドリニューアルを担当し、売上目標を180%達成することができました。SNSバズの仕掛けづくりといった成功経験に甘んじず、積極的に新しい方法にもチャレンジしていきたいと考えています。

エンジニア職

貴社のITソリューション事業におけるクラウドサービスの商品力の強さと市場における今後の成長性に魅力を感じています。前職ではシステムエンジニアとして、BtoBのWebサービスの開発を担当し、顧客管理システムの構築に携わりました。これまでの経験と、私自身の得意分野でもあるJavaのスキルを活かして、貴社に貢献したいと考えております。

営業職

貴社の〇〇というサービスを利用し、△△という点に感銘を受けました。この魅力的なサービスをもっと広めるために、自身の営業スキルを活かしていきたいと考え、貴社を志望いたしました。前職では、個人営業として目標達成率130%、3年連続で個人目標達成をしました。より大きな影響のある法人営業にチャレンジしたいと思っています。これまでの経験を活かし、貴社でも売上を牽引する人材として活躍したいと考えております。

販売職

貴社を志望した理由は、「現場から組織改革」という理念に基づいて、店長に裁量を与える方針に魅力を感じたからです。現職ではインテリア販売の店長として、売上管理や在庫管理、スタッフの育成に携わっています。店長就任後、売り場のレイアウト変更や接客マニュアルの整備を行い、3期連続売上目標を達成してきました。貴社に入社した際は、店舗の売上拡大だけでなく、より広い視野で事業全体に貢献していきたいと考えています。

志望動機のNG例

志望動機のNG例

履歴書の志望動機は記載できる文量が限られるため、具体的かつ端的に書く必要があります。これから紹介するNG例は、志望動機として書くには内容が薄かったり、企業分析ができていなかったり、ミスマッチと判断されてしまう内容です。下記事例を参考に記載しないように気を付けてください。

NG例その1:年収や待遇、福利厚生などの条件を前面に出す

NG例文

「インセンティブがあり若手でも高年収が狙えるところに魅力を感じました。」
「育休からの復職者が多く、女性のロールモデルも多いので志望しました。」
「リモートワークを導入しているので志望しました。」

解説

条件が同じであれば別の会社でもいいのではと思われたり、待遇や条件ばかり気にしているといった印象を持たれる可能性があります。特に女性の場合、ライフイベントを見越して転職される方が多く、産休育休の実績や時短、フルリモートなど柔軟な働き方に魅力を感じていると思います。条件だけを伝えるのではなく、下記のように転職で叶えたいことが実現できて、魅力に感じた企業で貢献していきたいと伝えるといいでしょう。

OK例文

「現職では結婚出産をすると管理職にはなれず、ライフステージが変化してもマネジメントに携わりたいというキャリアプランが実現できず転職を決意しました。貴社は女性の働きやすさの支援に力をいれており、ライフステージの変化に柔軟に対応しながらキャリアを築ける点に魅力を感じました。これまでの経験を活かし、貴社に売り上げ拡大に貢献していきたいと思い志望いたしました。」

NG例その2:やりたいことだけ伝える

NG例文

「海外営業に興味があるので携わりたいです。」
「広報として〇〇のようなCMをたくさん作りたいと思い志望しました。」
「憧れの人事の仕事に未経験からチャレンジできるため志望しました。」

解説

自身のやりたいことだけ、叶えたいことだけで企業に貢献できることを伝えられていないと、入社後の貢献性や定着性などを疑われる可能性があります。どんなスキルがあって企業にとって採用する価値があるのか分からないという点が問題です。採用担当者に伝わるように自身の培った経験やスキルを活かして貢献できることを記載しましょう。

NG例その3:企業研究が浅い

NG例文

「貴社の『企業の活性化と日本経済の発展に寄与する』という企業理念に共感しました。」
「貴社の商品が大好きで貴社の商品開発に携わりたいと思っていたので志望しました。」
「貴社のサービスを実際に使って良かったので、その魅力を伝えたいと考えています。」

解説

企業研究が浅く、表面的な理解しかしていないと思われてしまいます。具体的な内容やビジョンが見えないので、他の会社でもいいのではと思われる可能性も。商品やサービスを実際に使ってみて魅力に感じることはNGではありませんが、ユーザーとしての感想にすぎず志望動機にはなりません。競合と比較して商品の魅力や改善点など詳しく説明ができればプラスになる可能性もあります。企業研究をしっかりと行い、自身の叶えたいこととリンクさせるようにしましょう。

NG例その4:学ばせていただきたいスタンス

NG例文

「マーケティング職は未経験でのチャレンジになるので、学ばせていただきたいです。」
「貴社は未経験エンジニアの研修に力を入れているところに魅力を感じました。手に職をつけたいので、エンジニアになりたいです。」

解説

未経験の志望動機でありがちなのが、「学ばせていただきたいです」というスタンスの志望動機。人材の育成も企業の利益を上げるために行っているので、ボランティアではありません。企業は利益の最大化を追及しているので、企業に貢献してくれる人を求めています。学ばせてもらうといった受け身のスタンスではなく、一日も早く新しい知識やスキルを身に付けて成果を上げていきたいといった文章にしましょう

履歴書の「志望動機欄」に関するQ&A

Q.志望動機欄がない履歴書を使ってもいいのか

A.志望動機が思いつかない場合は、志望動機欄がない履歴書のフォーマットを使用しても問題はありません。「志望の動機、特技、好きな学科、アピールポイント」など自由記入欄がある場合は、自己PRを書いておきましょう。志望動機欄のある履歴書を使って、「特になし」や空白で出すのはNGです。

Q.面接で話すときは同じでいいのか

A.面接では履歴書や職務経歴書に書かれた内容を詳細に話します。履歴書に記載の志望動機と面接で話すときの志望動機は同じで問題ありません。むしろ履歴書と異なることを話すと一貫性がないと思われる可能性があります。面接の質疑応答で志望動機について深掘りをされる可能性もあるので、より詳しく話せるように準備しておきましょう。

Q.自己PRと志望動機の違いは?

A.採用担当者は、自己PRでは「入社後に活躍できる自分の強みやアピールポイント」、志望動機では「なぜその会社で働きたいのか」を知りたいと思っています。志望動機では応募先の企業に魅力を感じた点や入社後に貢献できること、入社したら実現したいことなどを伝えます。

まとめ

履歴書の志望動機の書き方について解説しました。悩みがちな書き出しや締めくくりの書き方のポイント、職種や経験によっての例文などの紹介した内容を参考に、企業への思いを込めた自分なりの志望動機を作成してみてください。

志望動機の書き方や履歴書の書き方に悩んだら、転職エージェントに相談するのも一つの方法です。type女性の転職エージェントでは、応募書類の書き方のアドバイスや添削などの転職サポートも行っております。自己PRに活かせるキャリアカウンセリングも実施しております。女性の転職支援実績も豊富にありますので、ぜひご相談ください。

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